遺品整理体験談:愛と記憶を尊重する片付けの物語

33歳女 祖母の遺品は宝の山

33歳女・会社員です。私が30歳の頃に祖母が他界し、その頃私はニートで暇をもてあましていたので、両親と3人で祖母の遺品整理をすることにしました。

祖母が亡くなってすぐに!ということではなく(祖母のことを思って)、1年ほど経ってからぼちぼちととりかかりました。祖母とは別居しており、私たちの家から車で15分ほどの距離にあります。

祖母の家は築100年以上の古民家。以前は茅葺屋根の一軒家でしたが、水害や時代に合わせて増改築を1度行っている家でした。ここに、祖母は一人で暮らしており、独身時代からずっとこの家に住んでいたと思われます。私は両親が共働きで、祖母に預けられており、とくに夏休みや冬休みなどの長期休みのときは、祖母の家に毎日きていて、いろんな話を聞かされていました。

祖母はお金が大好きで、パチンコが趣味でした。また、炭鉱に勤めていたこともあり、そのときの蓄えをしっかりと残していることも教えてもらい、生前に祖母から「おばあちゃんがなくなったら、すぐ押入れに行くんだよ。そこにおばあちゃんの全財産があるからね」と聞かされていました。

これは、両親たちが知らないことだったので、私はおばあちゃんから聞かされていたことを話して、整理をはじめました。しかし、いくら一人暮らしとはいえ、ずっと住んでいた場所なために、モノがすごく多く短期間で終わる作業ではありませんでした。

自分たちの都合や時間もあるので、いけるときに祖母の家に行き、ちょこちょこできる分片付ける感じで進めていきました。遺品整理って、大変そうで汚いイメージがありましたが、整理整頓が上手で、物を大切に使っていた祖母の遺品は、本当に綺麗に保たれており、整理しやすかったです。

食器なども、使っていないものや引出物でもらった箱に入れたままのものなどで、上等なものや使えそうなものは、遠慮なくいただきました。おそらく、昭和や大正時代の骨董などもあり宝探ししているようで楽しかったです。また、着物もとても綺麗な状態で保管されていたので、処分せずに古着屋さんか着物が好きな人に譲ろうとまだ保管したままです。

洋服も今でいうレトロなものが多く、古着が好きだった私は、アレンジして着れそうなものはいただきました。家電も箱から出していないものなどもありました。ただ、祖母がなくなってから3年ほど経ちますが未だに整理できていない箇所が1箇所あります。倉庫です。生前に祖母から倉庫には入っちゃいけないとか、ヘビが出ると聞いていたので近づけず、両親たちも倉庫にはものがありすぎて、開けるのが怖いと言っていました。

それに、倉庫には祖母の昔のアルバムや写真などがたくさんあり今まで過去のことをあまり話たがからなかった祖母の実態がわかるようで怖くなり、未だ開けないままです。また、遺言のようなものはなかったですが、家系図なるものがでてきました。いつの時代に書かれたものかはわかりませんが、手書きでかなり昔の代までの先祖が書かれており保管されていました。

その中には、炭鉱で働いていた証書なるものがあり、あとで調べると炭鉱で働いていた人は、申請すればすごく大きな補助?保険?をもらうことができるとかで、もちろん期限がありましたが、過ぎていたので申請できずでした。

最近は近所の人も遺品整理で空き家を訪れる人も増えており、一番大変だなと思ったのは本人が亡くなったあとに大事な書類がでてくることでした。

例えば、家の存続、土地の存続や後継者は、本人が生きているうちにしないと、手続きがとんでもなく面倒だそうです。いま「終活」という言葉があるように、生前にものの整理や伝えておかなければならないことなどきちんと整理整頓しておくべきだと感じました。

60歳代の男性であっというまに遺品整理はおわりました。

横浜市に住んでいる60歳代の男性です。3年前に亡くなった父親の遺品整理を行いました。

突然亡くなったので、最初に整理したのは背広と雑誌です。棺に入れる副葬品を選ぶためですが、父親とは違う場所に住んでいたので、愛用品がよくわからず困りました。

会社員として72歳まで働いていたので、背広の中でお気に入りのものを選びました。また毎年春、夏の甲子園にいっていたので、雑誌の中で甲子園を特集したものを選びました。

葬式が終わってから本格的に遺品整理に取り組みました。母親は不要なものは地域のごみ集積場に出したいというので、衣類関係はほとんど捨てることにしました。私とは洋服の好みが異なるので、形見としてもらうことはありませんでした。

次に本と雑誌ですが、亡くなる前に偶然たまっていた本を父親が整理して、押し入れの中にひもで縛っておいてありました。そこで中古本に出しましたが、ほとんど値がつきませんでした。

机は事務用を使用していたので中を見ると、整理整頓されていました。突然亡くなったので父親自身も知らなかったと思いますが、何か予感があったのかもしれません。そこは今でも手付かずで残してあります。

父親と母親は一軒家の中で個室をお互いに持っていました。特に父親は以前亡くなった祖母の部屋で暮らしていたので、台所や冷蔵庫をそのまま使用していました。

父親が亡くなったので、必要もなくなりましたが、母親はそのまま残しておきたいというので今でもおいてあります。

父親はもともと仕事人間で無趣味だったこともあり、ほとんど遺品は残っていませんでした。時計や手帳、電卓など小物はありましたが捨てていません。ベットは解体して、大型ごみとして廃却しています。

遺品整理は大変だといわれていますが、父親自身日頃から整理していたので、簡単でした。机はそのままにしてあるので、今でもいつか帰ってきそうな雰囲気があります。

遺品整理としてかまえなくても、残すものは自然にわかるので、特に悩むことはないと思います。

61歳女 業者に依頼して遺品整理

私は61歳女性です。夫を3年前に脳出血で亡くし、現在は息子夫婦と孫と同居しています。現在の家は息子夫婦と一緒に住めるように1年前に建て替えたのですが、その時に夫と一緒に住んでいた家を取り壊しました。

家を取り壊す前に夫の遺品整理をしたのですが、夫の死から1年半程経過していたにも関わらず、あまり遺品整理ができていない状況でした。なんだか夫との思い出が詰まっている遺品をなかなか捨てることができず、そのまま持っていたのです。自分で遺品整理をしているとなかなか捨てられないと思い、思い切って業者に片づけを依頼しました。

その業者はトラック一台でゴミを持って帰れるだけ持って帰ってくれるという業者でした。夫の服、アルバム、財布、靴など様々なものを持って帰ってもらいました。私は遺品整理を業者に頼んでよかったと思います。

その理由としてまず遺品整理に夫への感情が入らないからです。全て業者の方に任せたので、私では思い入れがあって捨てられないものも捨ててくれました。実際のところ、私が残しておいた方がいいかもと思っていたものは大半はいらないものでした。

それはなぜかというと夫が死んでからほとんど夫の遺品に触れることはなかったからです。1年半も放置するものに必要なものはないと思うので捨てて頂いて気持ちはすっきりしました。また、新しい家に古いものを持ち込みたくなかったのでよかったと思います。

新しい家に古いものを置いておくのはなんだか汚いですし、せっかく家も一新するのだから、物も一新しないとという風に後々思いました。

現在、私はありがたいことに息子夫婦と孫たちと一緒に暮らすことができています。夫が亡くなったことはもちろんさみしいことで今でもその死を受け入れられているのかというと微妙なところなのですが、夫の遺品を処分して、息子夫婦と孫たちと新たに思い出を作っていこうという前向きな気持ちになれた気がします。

もし、これから遺品整理をしようという方がいらっしゃったら、自分でやると感情が入って捨てるべきものを捨てられなくなってしまうので、本当に必要なものだけをキープして、あとは業者に依頼して捨ててもらうことをおすすめします。

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