遺品整理体験談:愛と記憶を尊重する片付けの物語

31歳男性、祖父の家、土地、家財、思い出の全てを整理した体験談

人生で始めて遺品整理をやった体験談を書きたいと思います。私は、31歳の男です。ファイナンシャルプランナーをやっていて、相続などの相談も受けていますが、自分が遺品整理をやるとは、思っていませんでした。

遺品整理した相手(故人)は、私の祖父にあたります。

整理した遺品ですが、家屋、土地、家財の全てです。

なぜ、孫が遺品整理しているのかと疑問に持つ方がいると思います。

これには、世間でよくいう骨肉の争いというものがあったからです。

祖父の家は、かなり大きい家でやはりお金もたくさん持っていた人です。

孫が8人もいるのに私も子供の頃は、行く度にお小遣いを貰ったものです。

話が逸れましたが祖父の子供は、私の母親を含め3人います。

1番上が男、2番目が女、3番目が女(母親)の順です。

若い頃は、3家族で遊びに行ったりしていたので仲がよかった印象があります。それが介護の問題、同居の問題が出始めてから長男と下の2人の折り合いが悪くなりはじめました。

財産やら介護やら、様々な事情で長男とは絶縁状態になり、その最中に祖父は亡くなりました。

様々な事情がある中での遺品整理は、何から手をつけていいかわからない状態で人手が足りないかつ、ファイナンシャルプランナーの私なら少しは知識があるということで遺品整理に携わりました。

財産は、祖母が施設に入っているので全て祖母の施設代にしました。

誰もいなくなった家は、なんだか寂しく見えました。ゴールデンウィークには、親族でバーベキュー大会、正月には新年会。時がたつにつれ、孫が増え、そして曾孫が増え、一時期には30人近くでワイワイガヤガヤ楽しんだものです。笑い声が響きわたっていた家には、もう誰もいません。

もし、親族が全員仲がよかったらこの遺品整理もガヤガヤできたのかな、そっちの方がこの家の最後には似合ってるんじゃないか、家の中は写真でいっぱいでした。ついつい、センチメンタルな気分になりましたね。

思い出の場所が静かになくなっていくのは、なんとも言えない感情ですね。

これから遺品整理する方は、是非自分の手でやりましょう。故人が何を大切にしてきたのかがわかります。私は、ある程度、自分の手でやりましたが、最後は業者に頼み、全て捨ててしまいました。

今思えば思い出となるものを取っておけばよかった感じます。

そして、親族同士の争いは極力ないほうがいいです。

50歳女 父の遺品整理は早すぎたかもしれない。

自営業をしている女性です。父が亡くなった後に遺品整理をしました。本が好きだった父なので、部屋中に本がたくさん積んであり、本棚にもたくさん並んでいました。

本当に不思議な感覚を感じながら、本の整理をしました。まるですぐそばに本人がいるかのように感じましたし、亡くなって2週間もたたないぐらいのときだったので、まだ家族の心の整理ができていなかったということもありました。

何故このタイミングで本を整理したのか、何となくのつもりだったのですが、まだ本には父のぬくもりがあるように感じました。さすがに父から「これは捨てないでくれよ」と言われている気がしました。

部屋にあった本の山がつい目についたこともあり、私は母と整理をしたのですが、同時に何だか本人に申し訳ない気分にもなりました。愛着のあった本もあっただろうに、本が大好きだった父の所持品だったこともあり、何だかこんなふうにさっさと処分をしてしまっていいのだろうか?と胸が痛くなりました。

あとは杖や時計、眼鏡、下着、服、布団やベッド、うちわ、昔のレコードやCD、カセットテープ、ビデオテープやテレビのリモコン、耳かき、写真、えんぴつやボールペン、ティッシュの箱など、も遺品整理をしたのですがこんなふうにすぐに整理してしまっていいのかどうか悩みました。実はいまだに処分できていないものも多いんです。

想い出がたくさん詰まった遺品を整理するのは、何となく気が引けるもの。それでもいつかは整理をしなければならないんですよね。

ちなみにはじめ処分をした父の本ですが、あるリサイクルショップの本屋さんに査定をしていただいたら、何と500円にもなりませんでした。理由は古すぎたことと、シミやほこりも多かったため。結局それで引き取ってもらったのですが、本当だったらもう少し本も処分をせずに、時間をおいて取っておいてあげた方がよかったのかなと後悔もしました。

『想い出は胸の中に』とは言いますが、遺品を整理するにはまだ少しだけ早すぎたのかもしれません。父も「早すぎたよ~」と天国で突っ込みを入れていたかもしれないなと思います。

皆さんも遺品整理は、心の整理が十分できてから行われた方がいいかと思います。

50代女性一段落前の遺品整理。

はじめまして。一度も実家を出た事のない一人っ子50代女性です。親が亡くなる前、親が死んだ後は普通の精神状態で生きていけないと思うほど、親依存の私でしたが、いざ亡くなってみると、一連の儀式、手続等を済ませるのに必死で、クヨクヨ悩んでる時間は思ったより少なく、お陰で思っていたほど落ち込む事はありませんでした。

この勢いで遺品も片付けようと、早い時期に一気に遺品整理しました。亡くなった直後は、親戚や友人、近所の方等、色んな人に心配され励まされ、人情に包まれた暖かい気持ちで暮らせるものです。

が一段落した頃にはそれもなくなり、どれほどの孤独感、喪失感に襲われるのか。それが怖かったせいもあります。幸い、物に執着しない家庭だった(こだわりの物、高級な物がない)ので、あまり躊躇せずに処分できたのは有難かったです。

が長年住み続けた家、処分しても処分しても次から次へと出てきます。どこにこんなに物があったのか、というほど。かれこれ5年になりますが、未だに少しづつ処分しています。予想通り、時が経ってからの遺品整理はかえって辛かったりします。整理しているとずっと忘れていた昔々の事を思い出したり、そこから親の気持ちに気づかされたり。母のコート等を見ていると一緒に出掛けた時の事を思い出して胸が締め付けられます。

認知症初期の頃、本人が嫌がるのを無理やり病院に連れて行っていました。車から病院まで少し歩かなければならない所で、歩くのが辛そうだったのに。火葬後の痩せ細った小さい骨を見て、歩くのがどれほど大変だったのか、わかってあげられなかった自分を悔いました。未だに困っているのが食器類です。

昔は結婚式の引き出物に食器が流行っていましたので、昔の食器類が大量に残っています。親が生きている頃はお客も多く、来客の際使うつもりで大事にとっていました。今となっては一人暮らしで使う食器はわずか。

親がいないとお客も減り、5点セット等何の役にもたちません。リサイクルショップに持っていくにも押入れの奥から重い食器を取り出して持ち出すまでの作業を考えるとおっくうになり、つい後回しにしています。出張買取もあるようですが、わざわざ業者に来てもらう程良い物でもなく、、と思うと気が引けます。

自分がいなくなった時の事もそろそろ考えておいた方が良いかと思うこの頃、だんだん気持ちが焦ってきています。

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