遺品整理をしていると、古い掛け軸や茶器、絵画、陶磁器など、いわゆる「骨董品」と思われるものが出てくることがあります。一見するとただの古い物に見えても、実は高額な価値を持つ品である場合も少なくありません。しかし、素人目ではその真価を判断するのは難しく、誤って処分してしまうケースもあります。この記事では、遺品整理中に見つかった骨董品の価値を正しく見極めるためのポイントと、専門家に査定を依頼する際のコツを紹介します。
1. 骨董品に該当するものとは?
骨董品とは、一般的に100年以上経過した古い美術工芸品や日用品のことを指しますが、必ずしも「古ければ価値がある」というわけではありません。評価されるのは、保存状態や作家・製造元、希少性、歴史的背景などの要素です。
遺品整理でよく見つかる骨董品の例には以下のようなものがあります。
- 茶道具(茶碗、茶釜、棗など)
- 掛け軸、屏風、書画
- 陶磁器(伊万里焼、九谷焼、備前焼など)
- 漆器、刀剣、印籠、根付
- 古時計、カメラ、古い玩具、切手、貨幣類
2. 自分でできる骨董品の初期チェック
すぐに処分せず、まず以下のポイントを確認してみましょう。
- 署名や印があるか確認する:作品の裏や底に「作者名」や「窯印」がある場合、その作家や時代を特定できる手がかりになります。
- 素材・質感を観察する:陶磁器なら釉薬の質、金属製品なら錆の出方など、経年変化を見極めることで本物かどうかの判断材料になります。
- 箱書きや証明書を探す:「共箱(ともばこ)」や「鑑定書」があると、価値の証明につながります。
- 保存状態を確認:ひび割れや欠け、カビなどのダメージは評価に大きく影響します。
3. 専門家への査定を依頼する
素人判断では限界があるため、骨董品らしきものを見つけたら専門家に査定を依頼しましょう。査定を受ける際は、以下の点に注意します。
- 複数の業者に見てもらう:業者によって得意分野や査定基準が異なります。複数の意見を比較することで、公正な評価を得られます。
- 出張査定を活用:大型の家具や壊れやすい品は、持ち運ばずに出張査定を依頼するのが安全です。
- その場での即決は避ける:相場を確認せずに買取を即決すると、安く買い取られるリスクがあります。一度持ち帰って検討することをおすすめします。
4. 鑑定や査定を依頼できる主な窓口
以下のような場所で査定を依頼できます。
- 美術商・骨董品店(地域の老舗業者や百貨店の鑑定会など)
- オークション会社(サザビーズ、毎日オークションなど)
- リサイクルショップ(骨董専門部門がある店舗)
- 自治体や博物館が行う無料鑑定会
- オンライン査定サービス(写真を送るだけで概算を提示してくれる)
5. トラブルを避けるための注意点
骨董品の査定や売却では、悪質な買取業者によるトラブルも報告されています。信頼できる業者を選ぶために、以下を意識しましょう。
- 古物商許可番号を提示しているか確認する
- 査定内容・金額の根拠を明示してくれるか
- 契約を急がせるような言動がないか注意する
まとめ
遺品整理中に見つかる骨董品は、故人の趣味や生きた時代を映す貴重な遺産でもあります。見た目が古いからといって軽視せず、落ち着いて一つひとつ確認することが大切です。価値があるかどうかは、専門家の目によって初めて明らかになります。焦らず丁寧に対応することで、思わぬ発見や故人の新たな一面に出会えるかもしれません。
 
  
  
  
  