人生の後半を意識するようになると、「エンディングノート」と「生前整理」という言葉を耳にする機会が増えてきます。
どちらも“終活”の一部として注目されていますが、それぞれの役割や目的には明確な違いがあります。そして、この二つをうまく両立させることが、後悔のない人生の締めくくりに繋がります。
エンディングノートとは?
エンディングノートは、自分の意思や希望を「文章で残す」ツールです。
- 延命治療に対する考え
- 葬儀やお墓の希望
- 家族へのメッセージ
- 大切な口座や契約情報のメモ
遺言書のような法的効力はありませんが、残された家族にとっての心の手引きになります。感情的・思想的な整理に重きを置いた、心の整理帳と言えるでしょう。
生前整理とは?
生前整理は、「物理的な整理」です。生きているうちに、自分の持ち物・財産・デジタルデータなどを片付けておく行為を指します。
- 不要品の処分
- 相続に関わる資産の整理
- デジタル遺品のアカウント整理
実際に手を動かし、「家族に迷惑をかけない準備」を進めることが目的です。
両立させるためのコツ
1. 目的を明確に分ける
まず意識したいのは、「心の整理(エンディングノート)」と「物の整理(生前整理)」は別のプロセスであるということ。
エンディングノートは感情や意志を記録するものであり、スピリチュアルな側面も含みます。一方、生前整理は、現実的で実務的な作業です。
2. 書きながら整理する
エンディングノートを書いていくと、「そういえばこの口座ってまだ使ってたっけ?」といったように、物や情報の整理も意識し始めます。
逆に生前整理をしながら、「このアルバム、子どもたちにどんな言葉を添えようか?」とエンディングノートへの記載内容が浮かぶことも。
このように、両者は行き来しながら進めるのが効果的です。
3. 優先順位をつけて進める
すべてを一度にやろうとすると挫折します。
おすすめは以下のようなステップです。
- エンディングノートの目次だけでも目を通す
- 関係が深い項目にメモを残す
- そのメモをもとに、関連する物の整理に着手
例えば、「ペットのことを誰かに頼みたい」とノートに書いたら、実際にペット用品の整理や引き継ぎ準備を進める…という形です。
4. 定期的に見直す
一度書いて終わり・整理して終わりではなく、1年に1回の見直しをおすすめします。
人生の状況が変わるごとに、気持ちも、物も、整え直す必要が出てくるからです。
まとめ|両輪で進めることで安心が得られる
エンディングノートは心の指針、生前整理は実際の行動。
この2つを組み合わせることで、家族にも、自分にも、安心と納得の準備が整います。
書くことで自分の想いに気づき、整理することで空間や気持ちが軽くなる。そんなプロセスを、今日から少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
まとめたページもご用意しています。ぜひご覧ください。
生前整理・終活とのつながり